注目の団地リノベーション

団地は通勤や通学を考慮した立地となっていることや、緑が多く、生活するための環境が整っているところが大きな魅力となっています。
1950年代から1970年代の高度成長期に建設された団地も、住民の高齢化が見られることから、「団地再生」のためのリノベーションが注目されています。
ここでは、団地のリノベーションをする際に、注意しておきたいポイントについて解説していきます。
壁式構造
1950年代から1970年代に建設された団地の多くは、「壁式構造」という工法が採用されています。コンクリートで造られた壁で建物を支えるため、高い強度があることから、地震などの揺れに対する安全性があると言われています。
ただし、リノベーションの場合は、部屋ごとの間仕切り壁となっている耐力壁を解体することはできないため、特に間取りのデザインをする際には、その点を意識した上で行う必要があります。
在来浴室
団地のお風呂は、ユニットバスではなく、タイル貼りで造られている「在来浴室」が採用されていることが多いようです。
そのため、リノベーションの際にタイルの張り替えを検討している場合には、防水処理も合わせて行うようにすることで、防水性を高めることにつながります。
それから、浴室の形を変更する場合には、浴室と居室の間の壁が耐力壁となっているケースもあるため、事前に確認してからデザインを決めていくと良いでしょう。
エレベーターの有無
5階建てより低い階層の団地の場合、エレベーターが最初から設置されていない可能性があります。もしも高齢の親や祖父母と同居する場合には、階段の昇り降りのことも考慮した上で物件を決めるようにする必要があるかもしれません。
直天井および直床
団地によっては、直天井や直床と呼ばれるコンクリートの地肌に対して、壁紙や塗装やカーペットなどを、文字通り直接施している物件があるようです。そのため、リノベーションで天井の高さを変更することができません。
配管や配線のスペースも設けられていないため、キッチンやお風呂やトイレの場所を変更したり、照明器具を増やしたりといったことができない可能性があります。
共用部分と専有部分
団地のような集合住宅の場合、リノベーションできるのは専有部分のみです。玄関や窓やベランダは共用部分となるため、変更ができません。
ガス給湯器などの導入を検討している設備によっては、管理組合の許可を得る必要が出てくるかもしれません。