古民家のリノベーション

古き良き日本家屋の趣に包まれて暮らしていきたいと希望する人たちの中で、古民家をリノベーションすることが注目されています。先祖代々の家を未来に向けて残していきたいという想いもあるのでしょう。
一般的に古民家は、築50年以上経過した、日本の伝統的な工法で建築されたものが当てはまります。ここでは、古民家のリノベーションのメリットと同時に、デメリットについても解説していきます。
古民家リノベーションの4つのメリット
古民家をリノベーションすることで、4つの大きなメリットがあります。
材料に古材が使われている
古民家には、神社や仏閣などと同様のケヤキやヒノキといった、樹齢100年単位の木材が使われています。
このような木材は「古材」と呼ばれ、耐久性が高く、少なくても200年から300年は強度の問題はないと言われています。
優しさのある材質
古民家で使用されている古材は、アレルギーやシックハウス症候群の原因となる物質が含まれていないため、住む人の身体に優しい材質と言えます。
それから古民家は、風通しの良さを考えた造りとなっているため、結露の発生が抑えられます。そのため、結露が原因となるアレルギーから身を守ることにもつながります。
そして、もともとある材料をそのまま使うことができるため、環境に対しての優しさ(環境保護)もあります。
オリジナリティのあるデザイン
古民家は、もともと規格に沿って作られている訳ではないため、オリジナリティのあるデザインとも言えるかもしれません。
特に住まいにも個性を重視したい人の場合、古民家をリノベーションすることで、より一層の自己表現につながります。
固定資産税
古民家のリノベーションには、固定資産税が安くなるというメリットもあります。
基本的に固定資産税は、築年数に応じて決定されることから、新築や一般的な中古住宅よりも抑えられる傾向があります。
ただし、固定資産税は3年ごとに見直されるため、評価によっては上昇してしまうことも考えられます。特に増築をする場合には注意が必要です。
古民家リノベーションの4つのデメリット
古民家のリノベーションには、メリットもある代わりにデメリットも存在します。
断熱性
古民家は、夏を快適に過ごすことを前提に考えられていることから、リノベーションの際には、断熱のための対策をする必要があります。
エアコンなどの暖房を充実させるのはもちろんですが、床や壁に断熱材を入れることで緩和されます。囲炉裏や掘りごたつなどを導入するのも風情があって良いかもしれません。
耐震性
古民家は1981年6月以前に建てられているため、耐震基準の点ではデメリットとなる可能性があります。
とはいえ、古民家は地震の揺れに耐えるというよりも、あえて揺れに任せるようにすることで、結果的に建物の倒壊を防ぐような造りとなっています。そのため、一概に耐震性が低いとも言えない部分もあります。
リノベーションをする際には、破損している箇所を交換したり、補強することで耐震性を高めるようにすると良いでしょう。専門家による耐震診断を受けるのもひとつの方法です。
コストの高さ
古民家のリノベーションは、新築よりもコストが高くなる傾向があります。
古材は基本的には一旦洗浄してから組み立てることになります。塗装を工夫するなど、他の材料とのバランスも取る必要があります。
他にも廃材処分のための費用も考慮しておきたいところです。そのため、ある程度余裕を持った資金計画をすることが成功のカギとなります。
定期的なメンテナンス
古民家は、湿気が一番の大敵です。特に茅葺(かやぶき)屋根の場合、湿度の高い夏場に傷みやすくなることから、その都度傷んだ茅を除去することが必要となります。シロアリなどの害虫による被害を防ぐための対策をすることも重要です。