リノベーションについて
リノベーションとは、すでにある中古マンションなどの建物の設備や間取りなどを変更することで、機能性やデザイン性を高めるといったような、新たな価値をプラスする工事のことをいいます。
スケルトンイノベーションのように、構造体のみを残して、設備や内装を完全に新しいものに作り変える工事などがあります。
リフォームとの違い
リフォームは、古くなった設備を元の状態に戻す工事です。賃貸マンションの居住者が変わる際の原状回復工事といえば、イメージしやすいかもしれません。
キッチンの設備やトイレの部材を新しいものに交換したり、壁紙を新しく貼り替えたり、外壁などの塗装を塗り直したりといったものがリフォームと言えるでしょう。
とはいえ、リノベーションとリフォームは混同されやすく、本来はリフォームをしただけなのにリノベーション物件として販売されている中古住宅もあるように、言葉だけでは判断しにくい部分もあります。そのため、そのような物件の見分け方には、工事内容を確認することが一番の近道となります。
リノベーションをする3つのメリット
既存の住宅のリノベーションをすることで、3つのメリットがあります。
好みに合わせた設計
リノベーションのメリットのひとつとして、居住者の好みや趣味に合わせた設計ができる点があります。
既存の住宅の場合、ある程度定番となっているデザインがほとんどのため、比較的無難なものに落ち着いてしまう傾向があります。
もちろんそれでも良いのですが、もう少し住まいにも個性を出したいという人にとっては、リノベーションは最適となるでしょう。
選択肢の広がり
リノベーションのメリットには、物件の選択肢が広がることもあります。
例えば新築で駅から近い物件となりますと、価格もそれ相応になるため、予算に合わせた結果、当初の予定とは違う物件を購入せざるを得ないケースも考えられます。
あらかじめリノベーションをすることを前提として物件選びをすることで、築20年~30年の中古住宅も選択肢の中に含まれるようになるため、駅から徒歩3分などの物件が予算内で見つかる可能性が高まります。
新築よりも安く購入できる
中古住宅をリノベーションすることで、新築の物件よりも安く購入することにつながります。もちろん、中古住宅の価格やリノベーションの工事費用にもよりますので、あくまでも同じ条件で比較した場合です。
それから築20年以上の中古住宅は価格の変動が少なくなるため、買った直後に大きく下落するといったリスクを回避することにもなります。
リノベーションによる3つのデメリット
リノベーションにはメリットがあると同時に、3つのデメリットも存在します。
築年数と耐久性
中古住宅のリノベーションでは、築年数が重要なポイントとなります。
特に建築基準法が改正された1981年6月以前に建てられた物件の場合、耐震基準が異なっていることから、建物の状態によっては、耐震性を高めるための工事を別途追加する必要があるかもしれません。
購入前に専門家に依頼して確認してもらうのもひとつの方法です。
入居するまでの時間
一般的な住宅購入の場合、引き渡しが終われば即入居できるのですが、中古住宅を購入した後にリノベーションを行いますと、工事が終わるまで入居することができません。そのため、すぐに引っ越しをしたい人にはあまり向いていません。
リノベーション用のローン
中古住宅をリノベーションする場合、購入のための住宅ローンの他に、リノベーション用(リフォーム用)のローンを組むことになる場合もあります。
リノベーション用のローン金利は、一般的な住宅ローンの金利と比べて高くなることがほとんどです。そのため、工事が完成するまでの仮住まいの家賃なども合わせた資金計画を、きちんと立てることが大切です。